発病から移植まで。（１１）

骨髄移植をすることになって、娘が、いちばんショックだったこと。


それは、ドナーバンクから骨髄の提供をうけるので、ここの病院では、移植ができないということだった。


ここの病院は、骨髄移植をする設備も、技術もある・・・・・ひとつあるクリーンルームも、いつも、誰かが入院していた。症例もたくさんあるに違いない・・・。なのに、ここでは、移植はできない・・・・。


ドナーバンクのシステムは、病院をこえてドナーさんと患者さんをつなぐ特異なシステム・・・・。どの病院でも可能にしてしまうと、混乱が生じるのかもしれない。ドナーバンクからの骨髄移植ができる病院が特定されてしまうのも、仕方がないことだと思う。


とにかく、娘の命は、ドナーさんのおかげで、ドナーバンクがあったから救われた。それは、十分、十分、わかっているし、本当に、感謝している。


でも、子供にとって、治療の途中で、環境がかわるのは・・・・・・正直、きつかった。


Ｓ病院から、移植のための病院に転院したのは、１２月はじめ。（移植は、翌年の１月ごろに決まったが、環境になれるため、最後の抗がん剤治療は移植病院で行うことになったため。）


病棟で、お友達や看護師さん、先生方、みんな出てきてくれて、「がんばってね～～！！」と送り出してくれた。


娘は、泣いてはいなかったが、始終、仏頂面・・・・。（本人にとっては、理不尽な転院・・・。）


わたしは、みんなと、ちゃんとあいさつしたかったのだけれど、もう、涙涙で、話ができる状態ではなかった・・・。（あ～、弱っちい母親・・・。）


悲しくて悲しくて、逃げるように、Ｓ病院を後にしました。


もう、気分はドナドナだよう・・・・。


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